いつリリースされるのか非常に気になっていたDark Alex氏によるTime Machineがとうとうリリースとなりました。このソフトの特徴としては
Pandora's Batteryの機能を通じてメモリースティックから古いバージョンの公式ファームウェア・カスタムファームウェアの読み込みが出来る
という画期的なものです。このような機能を持つ物としてはBooster氏によるDevhookが記憶に新しいですが、異なる点としては対象のPSP
はPandora's Batteryの機能を利用しているため、独自のIPLで動作+内蔵Flashが壊れていても動作、つまりどんなバージョンのPSPであろ
うとメモリースティックから任意のファームウェアを動作出来る(公式ファームウェアであっても可能)という点で違うみたいです。
さて動作可能なファームウェア・カスタムファームウェアですが、下記の通りとなっています。
(1)PSP v1.50(PSP-1000のみ)
(2)PSP v1.50+v3.40hw(PSP v3.40のモジュールを独自に読み込み。PSP-1000/PSP-2000の両方対応)
(3)Custom Firmware 3.40Open Edition(PSP-1000のみ)
(4)Custom Firmware 3.60M33(PSP-2000のみ)
となっております。かなり汎用性が高く、(2)については新型PSP-2000(AA)においてもPSP v1.50ライクなファームウェアが動作するとのことで
面白そうです。早速これから試してみたいと思います。蛇足ですが、今回の管理人の環境は下記の通りです。
●対象PSP:PSP-2000DR(CFW 3.80M33-5)
●Time Machineインストーラ動作:PSP-1000SV(CFW 3.80M33-5+Kernel 1.50Addon)
●CFW 3.60M33導入PSP:PSP-2000ZS
●使用メモリースティック:Sandisk Urtla II 4GB(AA)
●動作条件
Time Machine自体はPandora's Batteryの機能を利用するため、対象のPSPはどんなファームウェアでも問わないようですが、ソフトの動作
とインストールには少し動作条件があるようです。
(1)NANDブートを行う場合はCFW 3.90M33-2以上が必要(PSP-2000の場合)
(2)Time Machineインストーラ動作にはCFW 2.71SE以上のカスタムファームウェア導入しているPSPが必要
●用意するもの
(1)Time Machineインストーラー(ミラーしました)
(2)CFW 2.71SE以上のカスタムファームウェアが導入された別のPSP-1000/PSP-2000
(3)Time Machineを動作させたいPSP-1000/PSP-2000
●導入手順
(1)上記リンクからTime Machine インストーラーをダウンロードし、解凍する
(2)解凍して出来たフォルダ内にある「TIMEMACHINE」フォルダをms0:/PSP/GAME/以下にコピーする
[ipl loaderのインストール]
色々なファームウェアを動作させるためにはipl loaderと呼ばれる独自のiplローダーをメモリースティックにインストールする必要が有ります。
これ無しには動作しないので、注意下さい。
(1)XMBから「Time Machine」を動作させる
(2)Time Machineインストーラーが起動すると、下記画像のように表示される
(3)まずはメモリースティックにipl loaderを書き込むため、一番上の項目である「Install iplloader〜」を×ボタンで選択する
(4)すると下記画像のように書き込み終了した、と表示される
(5)ipl loaderはマルチなiplローダーであり、Booster氏のmultiple ipl loaderのように起動時に押しているボタンで読み込むIPLが
決まってくる。このキー設定はms0:/TM/config.txtに自動的に作製され、デフォルトの設定値は下記の通り
v1.50オリジナル - ×ボタン
v1.50+3.40hw - ○ボタン
CFW3.40OE - △ボタン
CFW3.60M33 - □ボタン
Pandora/DC1-4 ipl - Dパッド上ボタン
その他 - 内蔵フラッシュから起動する
[IPLをTime Machineフォーマットに変換する]
Time Machineでは様々なIPLを導入するために抜き出したIPLファイルを変換する必要が有るようです。まずはPandora's Batteryで作製
抜き出ししたmsipl.binを用意して、試してみたいと思います。
(1)変換したいIPLファイルを「msipl.bin」とリネームし、ms0:/msipl.binとしてコピーする(MMS作製の際に使用したmsipl.binで代用してみる)
(2)再度Time Machineを起動し、表示画面2項目目「Convert Pandora/DC1-4〜」を×ボタンで選択する
[PSP v1.50+3.40hwをメモリースティックにインストールする]
というわけでこれから漸く各ファームウェアの導入となります。今回はPSP-2000でもv1.50ライクなファームウェアが動作するとのことで、PSP
v1.50のみの導入は後にして、どちらでも動作するv1.50+3.40hwを導入例として紹介してみたいと思います。
用意する物が以前のアップデータとなりますが、一番やっかいなのがCFW 3.60M33から抜き出した360.PSARという特別なファイルが必要
な点ですね。現時点でCFW 3.60M33に戻すには、別のソフトが必要(CFW 3.71M33→CFW 3.60M33導入インストーラ)となります。今回は
動作するか現時点で判らないため、管理人は以前取っておいたNANDファイルを使用し、CFW 3.80M33からCFW 3.60M33へ戻して抜き出し
してみたいと思います。
●用意する物
(1)PSP v1.50の公式アップデーターEBOOT.PBP
(2)PSP v3.40の公式アップデーターEBOOT.PBP
(3)CFW 3.60M33の導入されたPSP-2000
(4)360.PSAR(CFW 3.60M33が導入されたPSP-2000から抜き出す)
(1)公式アップデータv1.50/v3.40のEBOOT.PBPをそれぞれ「150.PBP」「340.PBP」とリネームし、メモリースティックのルートに置く
(2)CFW 3.60M33の導入されたPSP-2000を用意し、Time Machineと同梱されている3.60Dumperをms0:/PSP/GAME/以下に入れ、起動
する
(3)起動し×ボタンを押すと360.PSARの作製にとりかかる。作製までにはちょっと時間が掛かるので、暫く待つ
(4)360.PSARがダンプされるとメモリースティックのルートに下記画像のように360.PSARファイルが作製されているはず
(5)抜き出した360.PSARファイルをipl loaderを書き込んだメモリースティックのルートに移す
(6)とりあえず上記で必要なファイル群は下記画像のように揃う
(7)再度Time Machine インストーラーをXMBから起動する
(8)今回はPSP v1.50+3.40hwをインストールするため、画面表示の上から4項目「Install 1.50 with 3.40hw〜」を×ボタンで選択する
(9)すると3ファイル(150.PBP/340.PBP/360.PSAR)の検査後に自動的に展開・インストールが始まるので、終了するまで暫く待つ
(10)以上で導入が完了する
[導入した各ファームウェアを動作させてみる]
ここまでかなり作業をしなければなりませんが、全部終了後に漸く動作となります。
●用意する物
(1)Jigkick Battery
(2)ipl loaderの導入されたメモリースティック
●導入手順
(1)ipl loaderの導入されたメモリースティックをまず先に入れる
(2)次に動作させたいファームウェアに対応した起動ボタン(1.50+3.40hwなら○ボタン)を押しながら、Jigkick Batteryを入れる
(3)するとメモリースティックに導入されている各ファームウェアが起動し、動作を楽しむ事が出来る
(4)画面はPSP-2000DRにおいてv1.50+3.40hwを動作させた例。ちゃんとPSP v1.50となっている事がバージョン情報から分かる
●他のファームウェア動作@PSP-1000
遊びで1枚のメモリースティックに今回導入できるファームウェアを全部導入して動作させてみました。メモリースティックとJigkick Battery
を入れ替えるだけで、どのPSPでも動作できるのは面白いですね。今の所実用的とは到底言えませんが、確かめられるのは良いですね。
●導入後
さてリアルタイムで更新してきましたが、ようやく動作まで漕ぎ着けました。一から作製すると準備する物がさっぱり分かっていない状態で
更新していたので、かなり戸惑いました。まさか今更CFW 3.60M33が必要になるとは思いもしませんでした。今回はJigkick Batteryとして
TOOL Batteryを使用していますが、以前にリリースされたPSP-2000専用バッテリー向けJigkick Battery作製ツールを使用していれば
もっとスリムに、かつ起動時にはPSP-2000がv1.50動作している、という事が実現できますね。
今回ちょっと弄っていたメモリースティックを最初に使ってしまい、Time Machineインストーラーを起動したらPSP-2000DRが一度破損して
しまい起動しなくなった、という事がありました(上記動作は修復したその後正常動作)。慌ててUUv4を使って修復しましたが、こんな事になら
ないようにピュアなメモリースティックから作製する事と、Universal Unbrikerのような、壊れても修正できるようなツールを用意しておいた方
が良いと思います(特に1台のみ所有の方)。さらには、NANDバックアップもとりあえず取っておいた方が、身のためです。
とは言っても無理矢理PSP-2000でv1.50をロードしているわけで、Readme.txtに記述されているように非常に多くの問題を抱えているよう
です。ちょっと数が多すぎるので、各自ご参照下さい。しかしPSP-2000でv1.50が動作するようになる日が来るとは、素晴らしいですね。手順
がかなり面倒ですが、導入してみたよと言う人は掲示板に書き込み等お願いします。
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